「風のささやき」


      四国88か寺めぐりパート3    
「歩き遍路」-第1回
目-


 
2002年05月28日
文   : 郷原 秀昭さん
イラスト:はまだひろこさん

四国88か寺"チャリ遍路"、"カー遍路"、ときていよいよ"歩き遍路"。郷原さんの感想では『遍路は歩きに限る』とのこと。歩きならではの、地元の人々との触れ合いをお楽しみください。

3/21(木)曇り時々雨 風強し

【行程】70番本山寺、71番弥谷寺 5,775歩

70番 本山寺
全国的に強い風が吹き荒れた一日だった。その影響で交通機関が各地で乱れた。 昨夜の飲み会で気だるい身体を引きずりながら自宅を5時40分出発。梅田発7時10分のバスで一路高松へ向かった。

 午後より本降りとなる天気予報が幸いにもはずれ、13時前本山駅に降り立つと止んでいた。ラッキ−と叫びながら歩き始めて20分ほどで70番札所本山寺到着。 随分立派なお寺で本堂はなんと国宝だそうで五重塔も素晴らしく印象深かった。
  ところが納経所の老住職は何故かご機嫌悪く、前の人が気を遣って納経帳開いて差し出すと「わしの一番嫌いな事をしよる。以前開いた帳面に(確認せず)納経して間違え恥をかかされた。」 とお冠。ペ−ジ確認して印をとりさらにお怒りである。印をもつところに朱肉が少しついており手がよごれたからである。白衣が汚れると納経拒否して席を立って引っ込んでしまった。中年の女性(娘さん?)が老住職のご機嫌をとり、遍路さんに気を使いながら印と筆使いテキパキと代わって処理したのである。順番待ちながらあっけにとられたが中年の女性が老住職の母親のように思えた。よく修行が出来た人だと感じ入った。

71番 弥谷寺

 納経を終えて今夜の寝床確保すべく温泉のある「ふれあいパ−クみの」へ予約電話入れた。 お上の商法丸出しで夕食は準備できません、朝食は7時以降となりますと嬉しくない話だが温泉の魅力に惹かれてきめた。結果的に素泊まりとなる。

次に地元の人から弥谷(いやだに)さんと呼ばれている71番弥谷寺へと歩を向けた。 寺間距離12.2Kで4時間近く要するロングコ−スである。途中道尋ねる事8回漸く辿り着いたとき16時をかなり周っていた。寺は山腹にあり坂と階段が暖かく迎えてくれた。 温泉は予想以上にグ−でサウナ、ジャグジ−、薬湯、寝転び湯、水風呂、露天とバラエティ−に富んだ浴場で三度も湯に浸かって旅初日の疲れを癒した。 ===<続く>====


編集後記 : 歩き遍路・続編は随時掲載予定
です
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郷原さんの
四国88カ寺めぐり
シリーズ

−第一部− 自転車めぐり第一章 第二章 第三章

−第二部− カー遍路

−第三部− 歩き遍路(随時掲載予定)