2002年04月23日
「風のささやき」
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2002年4月23日 文:郷 原 秀 昭 絵:はまだひろこ |
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こんにちは。郷原 秀昭です。 四国88ケ所巡り一度で終わるか、何度か挑戦する機会があるかは不明ですよね。 ならば一度で三通り味わってみようと考え、初めは自転車、次いで自動車、最後は歩きと手段を変えて巡る計画を立てました。 今回は 、『カー遍路』。 湯ったりと温泉に浸かりながらの旅を意図したが出会いやハプニングが楽しみで、前回のチャリ遍路と同様事前予約なしで出かけました。 1日目 11月27日(火) 移動日 交通渋滞に悩まされながら、やっとフェリーに乗船できたと思ったら、周囲の携帯電話に悩まされ、眠り薬はまったく効き目ナシ。 携帯の口害は至るところに及ぼしており、マナーを知らない人達が多いのには、困ったもんです。 2日目 11月28日(水) 37番岩本寺〜40番観自在寺 高知港に上陸し、一路西へとアクセルを踏み込む。 つい50日ほど前"輪子"と走った道路で見覚えのある風景が懐かしい。 桂濱過ぎてR-56に入ると、海上に美しい朝日が輝いており、幸運な旅になりそうです。 地図やガイドブックを参照し、道路標識に眼を遣りながらの走行は無味乾燥であれこれと"考える"時間が少なく、 地域の人との触れ合いも殆どないのに気付きました。 会話不足を補うように聞き出した温泉宿に一泊。観自在寺老住職の紹介とあり、サービス良好。 和尚っさんおおきにっ! 絵:観自在寺(はまだひろこさん)
3日目 11月29日(木) 41番龍光寺〜47番八坂寺 流行歌の文句ではないが「青春時代の真中」を実践し、"道に迷うことばかり♪"でした。 2人の地元の人に道を聞いたが、たどり着いたところは、「龍光寺」ではなく「龍光院」。 お巡りさんに聞いて、ようやく「龍光寺」にたどり着くことができました。 44番大宝寺では、自転車に乗った中年男性が、「昨年リストラに合い、チャリ遍路して3順目、野宿しながら続けている」と、 明るく話してくれました。 精悍な顔つきとスリムな体躯は心身とも健康そうに見受けられ、 今後の更なる健闘と多幸をお祈りします。 絵:41番龍光寺(はまだひろこさん) 4日目 11月30日(金) 48番西林寺〜59番国文寺 「よっしゃ今日はヤッタルデ−!!」と決心してヤッタのは、納経所のサインしてくれる人々の高齢度調査。 不謹慎の謗りは免れないが、昨夜浮かんだ疑問でこの世界がどの程度高齢化が進んでいるかと調べたくなった次第です。 結果は12ケ寺中5ケ寺が高齢者で、42%の高齢化率は巷間よりかなり先進的です。 とは言え、毛筆サインのよしあしは判定できない私は、 若い女性の寺に出会うと嬉しくなります。 5日目 12月1日(金) 60番横峰寺〜69番観音寺 早朝、東に走るうちに、空は次第に明るくなり神秘的な日の出を迎えました。不思議なもので感動的なご来光を見ると 心身ともに活力が自然と湧いてきます。 61番の香園寺、25年前に建てられたモダンな鉄筋建築に驚きました。圧巻はトイレで近づくと自動点灯、 中を覗くと暖房付きのシャワレット便座、感激してついお世話になりました。 総じて古式蒼然とした建物が殆どなのにこの豪華な洋風建築は異色中の異色です。 子授け・安産を売りにしている子安大師は、豊な金子にも恵まれているようです。 この日は69番まで巡り、今回のカー遍路の終わりとしました。 絵:61番香園寺(はまだひろこさん)
今回の遍路旅終えて・・・−感想− 率直な気持ちは充実感に欠け何か薄っぺらな感じで物足りない。楽しい出会いや触れ合い、熱い感動等が殆どできませんでした。 一つにはやっぱり"車"という手段に因るところが大きいと思われます。 車はスピ−ド移動する個室と言え、自然や地域の人、或いは文化と触れ合う機会を極端に少なくしてしまいます。 また肉体的には疲労や苦痛は全く感じず、汗さえも掻きません。その分喜びや感動することが無いのでしょう。 ガソリン燃焼し、エコ面やコスト面でも感心しない旅でエゴを反省しております。 お大師っさんかんにんやで−。南無大師遍照金剛! 合掌 追伸:現在執筆中の「歩き遍路」は、もっと皆様のご期待に添えるようなものになりそうです。 乞うご期待。
編集後記 : 郷原 秀昭さんは風の会パソコン教室の先生でもあります。 →詳しくはこちら |