何ヶ月かぶりの投稿です。前回までは夏だったこともあり、環境の変化と虫たちの生きる力について書いてみました。でも今回は全く違ったお話です。
先日、仕事の関係でミャンマーの技術者にお会いする機会がありました。皆さん経験を積まれた真面目な技術者で、我々が普段ミャンマーに対して抱いている、軍事政権の怖い国というイメージとは正反対の穏やかで教養も有り、笑顔の絶えない人たちです。
彼らが日本に滞在している1ヶ月強の間、仕事だけでは疲れるし、休日は何かイベントを考えようということで、あるご家庭に招待して日本の生活を知ってもらおうということになりました。そして、心づくしの美味しい和食を堪能して楽しいひと時を私も一緒に過ごさせていただきました。
食事の後、日本で放映されたミャンマーのビデオを見ようということになり、日本の若手女優がミャンマーの寒村のとある家庭に滞在したという、ドキュメンタリー番組「ウル○ン滞在記」を見ることになりました。
ミャンマーの人たちはさぞかし懐かしい思いでビデオを見るかと思えば、怪訝な顔をして何をやっている番組かと私に尋ねるのです。よく聞いてみると、テレビに出ているミャンマー人が何をしゃべっているか全くわからないというのです。何でもミャンマーには多くの部族が住んでおり、幾つもの言語があって全く通じないことも少なくないということでした。
また、テレビに映った寒村はテレビも無い田舎で、非常に貧しい様が強調されていたため、彼らは「首都のヤンゴンは大都会であり、充分に近代的な生活をしている。これがミャンマーだと思われるのは心外だ」といったようなことをそれとなく私に伝えてきました。
実際、彼らは本国ではエリートに分類される人たちなのでしょう。何不自由無い生活をしているようです。そんな彼らは国を代表しているというプライドも強く、自分の国のある一部分だけが日本に伝えられているということに不満だったのかと気がつきました。
日本人は単一言語、単一民族で島国という国際的に見ても非常に稀な国です。最近はマスコミ、ネット、海外旅行などで海外の情報に接する機会も多いわけですが、どうしても日本人という国際的にユニークな視点から離れて、物事を観察するということは難しく、国際感覚を磨くことの大切さを実感した次第です。連日ニュースなどで世界情勢が刻々と伝えられていますが、画面が真実のすべてではないことを意識しながら見ていきたいものです。