2002年09月24日
「風のささやき」
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生きる力 パート2ペンネーム ケビン |
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お久しぶりです。前回、南の暖かい地域のナガサキアゲハという蝶が、この数十年の間に日本の気候が温暖化するのにつれて、生息息を北に広げてきたお話をしました。 私たち住む世の中は変化が激しく、それについて行かなければ脱落してしまうことがよくあります。自然界も同様に、開発や地球温暖化など環境の変化に上手く適応した種が栄えるという厳しい世界です。 人間は癒しや励ましで生きる力をもらうとよく言います。でも、それ以前に衣食住が無くては生きられず、自然の営みはそのことを、冷酷にもはっきりと見せてくれます。人間も含めて生きるということは、きれいごとではないと教えてくれます。 前置きが長くなりましたが、今回は自然の生き物というプライド?を捨てて、逞しくも人間の造った環境に適応して生きている虫のことを書きます。 今回も蝶のお話。------------------- ガーデニングがブームになって、季節になると欧州系の園芸品種の花が庭を埋め尽くすようになってもう数年経ちます。もちろんそれ以前にも庭に花を植えるという習慣はありました。特に高度経済成長以降は生活スタイルの洋風化が一般的となり、都市部では庭も従来の日本庭園から洋風ガーデンが急増しました。 そのような庭に必ずといってよいほど植わっていたのがパンジー。三色スミレです。昔は赤、青、黄色の大きい花を咲かせるものがほとんどであったような気がしますけど、今は品種改良も盛んで、小さい花のもの等、色とりどり多くの品種が出回っています。
この蝶は元来野生のスミレを食草に細々と生きていたのですが、勇敢にも母蝶がパンジーに卵を産みつけ、それを子供が文句も言わず食べて成長したことで、この蝶の運命は大きく変わりました。野生のスミレとちがって園芸品種のパンジーならどこでも有りますから、一気に勢力拡大に成功したのです。 生まれてからほぼ兵庫県在住ですが私の記憶でも20年ほど前はほとんどいなかったと思います。10年ほど前からたまに観察できるようになり、現在では私の住む宝塚あたりでは最も普通に見られる蝶の一種となっています。逞しいかぎりですね。食わずぎらいをせず何事にも果敢にチャレンジする。この蝶が優雅に誇らしげに飛んでいるところを見るたび、勇気づけられます。
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