2002年09月17日
「風のささやき」
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さあ、絵を描こう パート2
文、絵:上野乃武彌さん
イタリアスケッチの旅、シチリアのギリシャ遺跡が散在する
アグリジエントでのエピソード
シチリアの人は似顔絵が好きです。レストランの親爺もその一人。私の荷物を見つけて、お前はアーチストかと聞いた。オレの顔を描けという。
幾らで描くのかと更に尋ねるので、今夜食った飲食代でどうか。もし、絵が気に入れば交換しようと提案した。 女店員が通訳したとたん、親爺はノーと言い放った。
私はテーブルに敷いている紙 なんかに描けるものかと、水彩紙を取り出した。 15分かかると言うと5分でどうかと言う。 5分でペン描きすると、えらい喜んで絵に サインしろと言う。コックを呼び出してうれしそうにできばえはどうかと聞いている。 二人で飲み食いしたリストをナプキンにメモし、この半額でどうだと45ユーロなにがし の数字を示した。 端数は切り捨てろと指差して言ったが、親爺は半端な小銭まで請求してきた。 これはビジネスなのだろうか。 親爺は真剣な面持ちである。 こちらは遊び心、ワインでいい気分、金はもともと期待して いなかったのだが気持ちよく絵と交換した。
こんな成り行きに相棒のプラハから来た若者はびっくり。
食後のデザート代わりのお絵描きとこのやりとりで 店中大いに盛り上がったシチリアの夜 でした。
旅にハプニングとトラブルはつきものです。明日はどんな景色と人に会えるのでしょうか。 心わくわくさせながら毎夜毎夜ワインを飲んで夢見ています。 9月19日から、いよいよ個展が始まります。 イタリアをスケッチして廻った一人旅、5週間の記録です。 ホームページでご覧下さい。http://www.nobuya-jp.com ※ご意見ご感想をお待ちしてます →こちらから |