2002年09月17日 「風のささやき」
編集部より
こんにちは。編集部です。今回は上野乃武彌(のぶや)さんよりの投稿です。 上野さんの絵は私も大ファン。色彩がきれいで家に飾りたくなる絵ばかり。 9月19日から24日まで、第3回目の個展が大阪の「ギャラリー御堂筋」で開かれます。 今回の個展ではナポリ、ソレント、ポンペイやシシリー島など、南イタリア中心の作品 をお楽しみ頂けます。 芸術の秋、皆様も足を運んでみては?
※詳しくは上野さんのホームページからご覧下さい        →http://www.nobuya-jp.com

さあ、絵を描こう パート2
文、絵:上野乃武彌さん


イタリアスケッチの旅、シチリアのギリシャ遺跡が散在する アグリジエントでのエピソード

ボローニャ
 シチリアの人は似顔絵が好きです。レストランの親爺もその一人。私の荷物を見つけて、お前はアーチストかと聞いた。オレの顔を描けという。 幾らで描くのかと更に尋ねるので、今夜食った飲食代でどうか。もし、絵が気に入れば交換しようと提案した。 女店員が通訳したとたん、親爺はノーと言い放った。
 私はテーブルに敷いている紙 なんかに描けるものかと、水彩紙を取り出した。 15分かかると言うと5分でどうかと言う。
 5分でペン描きすると、えらい喜んで絵に サインしろと言う。コックを呼び出してうれしそうにできばえはどうかと聞いている。 二人で飲み食いしたリストをナプキンにメモし、この半額でどうだと45ユーロなにがし の数字を示した。 端数は切り捨てろと指差して言ったが、親爺は半端な小銭まで請求してきた。 これはビジネスなのだろうか。 親爺は真剣な面持ちである。
  こちらは遊び心、ワインでいい気分、金はもともと期待して いなかったのだが気持ちよく絵と交換した。

タオルミーナ
 こんな成り行きに相棒のプラハから来た若者はびっくり。 食後のデザート代わりのお絵描きとこのやりとりで 店中大いに盛り上がったシチリアの夜 でした。
 旅にハプニングとトラブルはつきものです。明日はどんな景色と人に会えるのでしょうか。 心わくわくさせながら毎夜毎夜ワインを飲んで夢見ています。
 9月19日から、いよいよ個展が始まります。
イタリアをスケッチして廻った一人旅、5週間の記録です。 ホームページでご覧下さい。http://www.nobuya-jp.com


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