2002年07月16日「風のささやき」


八十にして齢を数えず  

2002年7月16日
田頭経営研究所 田頭規夫

 時々人生を振り返る年齢になった。早々とゴルフ倶楽部から傘寿記念のベストが贈られてきたので、この年までよく生きてきたものだと、感謝の毎日である。まず、このような健康体を作ってくれた亡き両親や祖母に毎朝感謝の気持ちをささげている。

ピエロのイラスト
絵:国米 和子さん
 実は、十五歳のころ、虚弱体質で医者には十七歳までしか生きられないと宣言されていたが、 自分でもそうかと思うほど元気が出ない毎日を続けていた私を、両親・祖母が一生懸命育ててくれた。 ただ甘やかすだけでなく、運動も無理のない程度にしごかれ、有名な病院や医師には、足しげく連れて行かれた。 学校へ行くより医者通いが忙しく、1年間休学する羽目になってしまった。やっと体力もつきかけたころ、 私の体質改善を完全なものにしたのは、バレーボールとの奇しき縁であった。

 ボールゲームが好きな私は、死んで元々と好きなバレーボールに運命を託すことになる。 これが成功して身長が一年に十五センチも伸びた時の喜びは今でも忘れない。このとき子供心に『人生は縁と賭け』と思うようになった。
 それ以後、人との出会い、チャンスとの出会いを大事にする縁の人生を歩んで、今日まで仕事を続けることができている。 まことにありがたいことと感謝の日々である。

花のイラスト
絵:国米 和子さん
 今、七十代の終わりに当たって、孔子の言葉『七十にして、心の欲するところに従えども矩を超えず』を守ってきたが、 孔子は七十代で亡くなったので、八十代の生き方は残していない。これから八十代に入るにあたって、 私は、さしでがましく孔子並みに『八十にして、齢を数えず縁を重んじ何事にも全力を集中すべし』の心境で臨みたいと考えている。

--------------------------☆田頭さんプロフィール☆------------------------
田頭経営研究所所長
コンサルタントとして、高齢化社会のこれからについて、ユニークな提言をされています。
著書に『様変わりの21世紀展望』、『ビジネス回想』、『プロ野球とビジネス』 があります。
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挿絵:国米 和子さん
    ギャラリーRYO 大阪市北区曽根崎12-5-1   tel.06-6363-0230

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