蜜蜂の満足は人間の不満足
2002年2月19日
 もどる


 若い人たちが将来の夢や希望をどうすれば持てるのか。
基本的には、 いつの時代でも、真面目であること、懸命になること、勤勉であること、 愛する家族のために、よって立つところの国家社会の発展のために貢献 する。
  これらの事は忘れてはならないことだとは思いますが、どのように 動機付けるのかが、これからの大きな課題だと思っています。

 ある養蜂家のこんな話があります。
 日本には四季があるので、花を追って蜜蜂の巣箱を運びながら全国を 移動して回り、花のなくなる冬の季節だけ家にいる。という生活が続く。 何とかならないかと考えていたとき、海外視察の話があり、オーストラリア へ視察旅行に行った。 「日本ほどはっきりした季節がないオーストラリアでは 年中変わることなく、花が咲き乱れていて、養蜂業者にとっては楽園、理想 の天地ですよ。あそこに行けば移動することなく、蜂たちに蜜を集めさせる ことができる」
 早速現地と交渉して日本から蜜蜂の巣箱を空輸した。

  そして、1年目、日本から行った蜜蜂達は期待通り、咲き乱れる花から花 へ蜜を集めて、飛び回った。365日休むことなくフル稼働した。養蜂業者達は 大喜びだった。  

  ところが、2年目になると、蜂蜜の収穫量は激減した。50%に落ち込ん だ。3年目になると、あんなに働いた蜂たちが急に働かなくなってしまった。

 後で分かったことは、常春の国では働き蜂が怠けバチになってしまうこと だった。「蜂たちが、春に休む間を惜しんで、蜜を集め回るのは、短い春の後 に灼熱の様な夏が確実にくることを知っているからです。また、秋に春以上 に蜜を集めるのは、長く厳しい冬が来ることを予感するからです。」

 蜜蜂はこれでもいいのかも知れませんが、私たちはこんな風にならないよう 心したいものだと思います。自然は色々なことを私達に教えてくれています。
                                   ―枚方市 西 弘二郎さん

編集後記: 日本のサラリーマン達は企業戦士と云われながら、懸命に働いてきました。その結果、得たものは幸せ感とは逆に、リストラという厳しい冬 の風景であったというのは、何か割り切れなさを感じます。 蜜蜂に感想を、 聞いてみたいものです。
                                    ―風の会:河本雪夫



★コラムの感想は メールアドレス:info@g-kaze.com 宛にお願いします。  
  また、みなさまからの投稿もお待ちしております!

 もどる