2002年04月30日 「風のささやき」


目線が変われば、風景が変わる  

2002年4月30日
風の会 河本 雪夫

 『迷ったら原点に戻れ』
という言葉があるように、何かにぶつかったら、もう一度始めに戻ることが問題解決への糸口になることがよくあります。
 今、私たちを取り巻く社会は出口の見えない迷路に入ってしまったような感じを受けます。
特に毎日見せられるテレビの報道は人間の暗部をこれでもかとえぐりだすことに熱中しているように見えます。 そこでは、自分の欲望の極大化を求め、それが達せられないとき、いとも簡単に、人を殺したり、物をだまし取ったり、際限のない暗闇に落ち込んでしまった様な報道が大部分を占めています。

 しかし、少し視点を変えて、人は何のためにこの世に生を受けてきたのかを考えれば、そんなにあくせくと悪事を働く必要はないほど自然の恵みを十分に受けていることに気づくはずです。何の対価を払うことなく天地自然は恵みを平等に与え、生存させてくれています。 今日まで色々教育薫陶いただき、まがりなりにも一人の大人として成長させていただいたこと、社会文化の発展の恩恵を、ありがたいと感謝することから見えてくる、本当の姿があります。
昔の言葉に、

『起きて半畳、寝て一畳、お腹ふくれて、子が育つ、雨露しのげば、あとはぜいたく』

というものがあります。 こんなことを言っていたら、経済活動が成り立たないといわれそうですが、自然の理に逆らい、環境を破壊し人間の心を荒廃してまで求めた豊かさと、人間の幸せと言う点で比較すれば、そんなに大差はないように思われます。

 人が生きるための原点に帰り、それぞれの分を尽せばよい結果がでることを松下電器松下幸之助相談役は次のような言葉を残しています。

およそこの世に、同じ物は一つもなく、同じ人間も一人もありません。

すべての人を、同じ型にあてはめ同じ道を歩ませようとすることは、

自然の理にもとることになります。

人みな異色異行、そのままに天分を伸ばしていくところに、

自分も行き、全体も生きる道があります。

 日本全体が疲れて、病んでいる様に思えます。我々は何のために働いているのか、原点から問い直す必要があるように思われます。

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