最近“がんばらない”という本が話題を集めています。 これまで、何気なく使っていた“がんばれ”という言葉に慣れている者に とっては、違和感のある言葉の様に感じられます。
しかし、がんばるという中に込められているものは、相手を他人の立場 から見て、その言葉を口にすることによって、自分が何となく安心できる
免罪符のように使われているのではないかと思います。
それほどがんばって来なかった人ががんばってきた人に、さらにがんば りや、というのは激励になっているのだろうか。どうしてもがんばること
が出来ないハンディを持った人、病気で苦しみ悩んでいる人、又は高齢に なった人達にがんばれという言葉はどんな響きを持っているのだろうか。
とふと疑問を感じました。
人は、自己回復力、つまり自分を守る力を本質的に持っているものです。 ただ、怠ければいいというのと違って、笑顔一つ与えられることによって、
気分がほぐれてきたり、肩の力を一瞬抜くことによってリラックス出来て、 別の力が湧いてくることがあるということを、作者の鎌田実先生は、言いた
かったのだと思います。
何気なく使っている言葉にも、受け取る人によっては、違う重みを持つも のだということを気づかされた次第です。
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